第2回JAMBIO国際シンポジウム
2014年12月4日と5日の二日間に渡り、筑波大学東京キャンパスで第二回JAMBIO国際シンポジウムが開かれました。
本シンポジウムの主題は「Aquatic Ecosystems: Past, Present and Future」です。アメリカ、カナダ、イギリス、フィリピンなど国外から招待した6名と、日本国内からの9名の研究者によって最新の研究成果が発表され、世界各地からの75名の参加者と活発な議論が行われました。
▶2nd JAMBIO International Symposium Poster(PDF) ▶プログラム(PDF)
本シンポジウムは5つのセッションで構成されており、最初のセッションである、「Frontiers ecosystem」においては、埋在生物、寄生虫、極限環境(高硫化水素もしくは深海)に関する生態学的研究が発表されました。2つ目のセッションは、近年注目されている海洋酸性化に関するもので、CO2シープを用いた野外調査や実験的研究、古生物学研究など、多岐にわたるアプローチが報告されました。3つ目のセッションは、「MarinePrimary Producers」で、沿岸の海藻や外洋の植物プランクトンに焦点が当てられ、気候変動などの影響に関しても言及が為されました。本シンポジウムは、琉球大学亜熱帯生物圏研究センターとの共同開催であり、4つ目のセッションである「Disturbance in Marine Ecosystems」では、2つのサンゴの病気に関する研究と生物多様性への気候変動の影響評価について、1つの報告が為されました。最後のセッションである、「Climate and Marine Ecosystem」では、エルニーニョやラニーニャといったグローバルな気候の変化に対する、新たな気候変動モデルの構築や、フィリピンのマングローブの保全や管理に対する社会学的アプローチが紹介されました。
懇親会は12月4日の夕方に、YRイベントホールで盛大に行われ、参加者はシンポジウムの発表内容などを中心に活発な意見交換や議論を行いました。今後の共同研究の可能性についても議論が行われたことから、本シンポジウムが国際的な研究活動の活発化につながることが期待されます。
シンポジウム終了後、海外の招待講演者らが、筑波大学下田臨海実験センターや北海道大学厚岸臨海実験所、琉球大学亜熱帯生物圏研究センターに来訪しました。彼らは今回の来訪の機会を利用して、各実験所の紹介やそのフィールドの調査などを行いました。